新全体主義の思想史:コロンビア大学現代中国講義
08/09/2020 01:09:11, 本, 張博樹
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によって 張博樹
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内容紹介 六四、三十年を悼む 自由に発言することを望んで、中国社会科学院哲学研究所を解雇された著者は現在、米コロンビア大学で教鞭を執りながら、祖国を見詰める。 本書はそのコロンビア大学で開講されている「現代中国の九大思潮」がもとになっている。 その最大の特長は、現代中国を従来のように権威主義体制として理解せず、「新全体主義」と捉えていることである。 ただ、この強権体制を見る視点は独裁一色というような単純なものではない。 ポスト「六四」天安門の思想状況は、高度経済成長とともに、党=国家体制へと回収されていく強力なナショナリズムが醸成されたのは確かに事実である。 だが、その過程は、グローバル化や通信技術の革新の下で展開しており、一党独裁を支える政治・社会思想はかつてのように一枚岩ではない。 こうした新たな眼鏡を持つことが、一党独裁を掘り崩していく知的な土台になる。本書が「新全体主義の知識社会学」と自ら規定しているのは、この意味においてである。世界的に注目される自由の闘士による中国批判理論構築の試み。 [目次] 訳者まえがき(及川淳子) 分裂する中国——日本語版序 はじめに 序章 思想および思想のスペクトルと思潮の衝突 思想とは何か、現代中国に「思想」はあるか 四分割象限分析とスペクトル分析 本書の行論範囲 本書の視角 —— 権威主義と新全体主義の知識社会学 第一章 リベラリズム リベラリズムの基本的な含意 現代中国リベラリズムの独特な起源 李慎之「風雨蒼黄の五十年」 胡平「言論の自由を論ずる」 六四・天安門事件が中国のリベラル派知識人にもたらした意義 リベラリズムと市民への啓蒙 リベラリズムと市民運動 リベラリズムと政治的反対派 史観の再構築 —— リベラリズムと中国生まれの学術 第二章 リベラリズム(続一) 中国の民主への転換の目標とその方法 将来の政体 —— 厳家祺『連邦中国構想』 将来の政体 —— 範亜峰の「公民政体」論と「半大統領制」 将来の政体 —— 張博樹の「双軌共和制」と「修正大統領制」 将来の政体 —— 徐文立、封従徳らの「民国回帰」の主張 民国一九四六年憲法は将来の中国政治制度の青写真となり得るのか 第三章 リベラリズム(続二) 転換の道筋 —— 周舵「中国民主化の漸進路線」 転換の道筋 —— 天王成の漸進主義批判と「急速な変革」 転換の道筋 —— 天王成の批判に対する反批判 新たな全体主義に直面 —— 李衛東の紅色帝国論 新たな全体主義に直面 —— 新公民運動と政治的反対派に関する論争 「革命」とは何か、革命は不可避か 第四章 新権威主義 中国新権威主義の起源 鄧小平と新権威主義 蕭功秦『左右の急進主義を超えて』 習近平と新権威主義二・〇 「突然変異」 —— 新権威主義への忠誠 呉稼祥の「習李新政」に対する解読 権威主義からの転換戦略はいかなる条件下で可能になるのか 第五章 新左派 汪暉の「現代中国の思想状況とモダニティの問題」について 西欧マルクス主義に源をなす中国新左派の言説 汪暉は六四以後における中国問題の実質を歪曲 二十世紀における中国革命の遺産をどう捉えるのか いわゆる「代表性の危機」と「ポスト政党政治」 『東西間の「チベット問題」』について 批判精神に背を向けた中国新左派 第六章 新左派(続) 米国の選挙制度批判に熱中する王紹光 いわゆる「実質的民主」と「形式性民主」について 中国の選挙操作とそれに対する言及を避ける王紹光 いわゆる「市民社会の神話」を打破することについて 中国はいかなる「統治力」が必要なのか 価値の隠蔽と認識の歪曲 —— 米国に留学した政治学博士はなぜ民主を拒否するのか 第七章 毛左派 馬賓ら老幹部の「提言書」 張宏良、毛沢東と文革に対する称揚 文化大革命はそんなに偉大だったのか 毛左派が現代中国に出した処方箋は間違っている 鄧小平およびポスト鄧小平時代の腐敗、権力変質の原因 毛左派とポピュリズム 毛左派と「中国の夢」 第八章 毛左派(続) 甘陽の「通三統」 「二つの三十年」をいかに見るのか 「平等」と「社会主義」とは いわゆる「文明論」の間違いはどこにあるのか 劉小楓の「国父論」 カール・シュミットの「主権」観と「支配層」の問い 「百年共和」の歴史の論理 重慶詣での学者たち 第九章 中共党内民主派 中共党内民主派の定義 胡耀邦、趙紫陽は中共党内民主派の二つの旗印 李鋭「憲政はいつ成し遂げられるのか」 謝韜「民主社会主義こそが中国を救う」 朱厚沢「「中国モデル」は世界に深刻な結果をもたらすだろう」 中共党内民主派の「集団お目見え」 『炎黄春秋』の命運 付録一 「憲政中国を建設することに関する意見書」 付録二 『争鳴』特集—— 「〇九上書」 第十章 「憲政社会主義」の様々な主張 胡星斗「中国政治改革順序論」 王占陽「普遍的な憲政社会主義」 華炳嘯「憲政社会主義と「トップレベルの設計」」 党=国家は華炳嘯同志に拍手を送るべきである 憲政社会主義とリベラリズムの「分岐」 イデオロギーの包囲討伐を背景とする「反憲派」と「憲政派」の論争 第十一章 儒学治国論 蒋慶が論じた「王道政治」 「儒教憲政」の基本構想 「天道」と「民意」について—— 「議会三院制」の分析 「歴史の合法性」について——儒学の歴史的な位置をどのように見るか 秋風——儒学とリベラリズム 儒学と「文化のソフトパワー」 第十二章 紅二代と「新民主主義への回帰」 張木生 —— 驚異の人 なぜ「我々の文化歴史観を改造する」ことが必要なのか 「紅二代」の不満を表しているもの 張木生の理解による「新民主主義」 「新民主主義」という国治法 張木生の論理はどこに誤りがあるのか —— 「帝国主義」の誤読に関して 張木生の論理はどこに誤りがあるのか —— レーニンの遺産のなかの全体主義を無視している 「党=国家の中興」 —— 劉源、張木生が習近平を生む 第十三章 対外的に勢力の強まるネオ・ナショナリズム 「NOを言える中国」から「不機嫌なる中国」まで リベラリズムはナショナリズムと「中国の勃興」をいかに見るのか 劉源と羅援 —— 軍人からの声 閻学通「次の十年」 「国民国家」としての中国と「党=国家」としての中国を区別すべきである ネオ・ナショナリズムと「紅色帝国」 第十四章 結論 中国知識界の分裂——九大思潮のスペクトルでの位置 分裂・変化の激化——中国思想スペクトル変遷の動態分析 抵抗する芸術——穏健リベラル派の努力と苦悩 媚を売る芸術——権威主義時代、新全体主義時代の道化者の役 国内と海外——中国知識界の民間相互作用 「中国を変える」のは依然として我々の不変の初志である わが生活の軌跡——著者あとがきに代えて 解題——現代中国における思想的根拠としてのリベラリズム(石井知章) 訳者あとがき(中村達雄) 註 参考文献 内容(「BOOK」データベースより) 天安門事件から30年、“党=国家”による苛烈な独裁下、思想はいかにして可能か?専制と闘う解放のための講義。 著者について 張博樹(ちょう・はくじゅ) 1955年生まれ。中国人民大学政治経済学部、中国社会科学院大学院(哲学専攻)を経て中国社会科学院哲学研究所勤務。哲学博士。六四・天安門事件に遭遇して人生の方向性が変わり、以後、中国批判理論の構築に邁進する。2011年に渡米。現在、コロンビア大学客員教授。主著に『経済行為與人:経済改革的哲学思考』(貴州人民出版社、1988年)、Marxism and Human Sociobiology(SUNY Press, 1994)、『従五四到六四:20世紀中国専制主義批判』(香港・晨鐘書局、2008年)、『紅色帝国的邏輯:21世紀的中国與世界』(台湾・秀威出版公司、2019年)など多数。 訳者:石井知章(いしい・ともあき) 1960年生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科博士課程修了。博士(政治学)。共同通信社記者、ILO(国際労働機関)職員を経て、現在、明治大学商学部教授。 主な著書に『現代中国政治と労働社会』(御茶の水書房、日本労働ペンクラブ賞受賞)。『中国革命論のパラダイム転換』(社会評論社)、『文化大革命』(編著、白水社)他。 訳者:及川淳子(おいかわ・じゅんこ) 東京都生まれ。日本大学大学院総合社会情報研究科博士後期課程修了。博士(総合社会文化)。中央大学文学部准教授。主な著書に『現代中国の言論空間と政治文化』(御茶の水書房)、『文化大革命』(共著、白水社)、訳書に『劉暁波と中国民主化のゆくえ』(共訳、花伝社)、廖亦武『銃弾とアヘン』(共訳、白水社)他。 訳者:中村達雄(なかむら・たつお) 1954年生まれ。横浜市立大学大学院国際文化研究科博士後期課程単位取得退学。博士(学術)。現在、明治大学兼任講師。著書に『「中国」の練習』(NHK出版生活人新書)、『文化大革命』(共著、白水社)、論文に「蔣経国の贛南における派閥形成について」(『現代中国』第八三号、現代中国学会、2009年9月)他。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 張/博樹 1955年生まれ。中国人民大学政治経済学部、中国社会科学院大学院(哲学専攻)を経て中国社会科学院哲学研究所勤務。哲学博士。64・天安門事件に遭遇して人生が変わり、以後、中国批判理論の構築に邁進する。2011年に渡米。現在、コロンビア大学客員教授 石井/知章 1960年生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科博士課程修了。博士(政治学)。共同通信社記者、ILO(国際労働機関)職員を経て、明治大学商学部教授。主な著書に『現代中国政治と労働社会』(御茶の水書房、日本労働ペンクラブ賞受賞)。他 及川/淳子 東京都生まれ。日本大学大学院総合社会情報研究科博士後期課程修了。博士(総合社会文化)。中央大学文学部准教授 中村/達雄 1954年生まれ。横浜市立大学大学院国際文化研究科博士後期課程単位取得退学。博士(学術)。現在、明治大学兼任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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筆者は中国の社会科学院という機関を解雇されコロンビア大学に職を得た方だから、中国の政治体制に対し批判的な内容であるのは当然の話だが、中国の中にも著者の分類による9つの政治思想がある、ということに驚いた。これらにはいわゆる自由民主主義も含まれるらしい。私の不見識が主因ではあるのだけれど、中国といえば現在「共産党一党独裁」あるいは名前しか知らない「習近平思想」しか思い浮かばすそれ以外には劉暁波さんなどの個別の思想運動しか思いつかない。この本からの引用だが、2013/5月に「七不講」と称して、普遍的価値・報道の自由・市民社会・公民の権利・公民の権利・中国共産党の歴史的誤り・権貴(?)資産階級・司法の独立について論じてはならない、というイデオロギー統制が発効されたとあり、だとすれば中国には少なくとも表向きには政治思想を論じる自由な言論空間が存在しないことになる。思想信条の自由はあってもこれを表明し議論し報道することができなくては、少なくとも我々国外の人間にそれらを知る機会は無い。国外に追いやられた筆者のような方からこの著書のような形で伝えていただけるのは誠に貴重なことであるが、それよりも言論空間が事実上閉鎖された社会の怖さを感じてしまった。
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